僕の免許が取れるまで

大型自動二輪免許

これは僕が普通自動二輪の免許を取って以来、ずっと憧れのものでした。普通自動二輪では400ccまでのバイクしか乗れません。最近では教習所での大型の取得が可能になったからか、試験場での一発試験も受かりやすくなっているという話を聞きました。

僕が試験場で大型をとろうと思ったきっかけは、2ストロークエンジンの生産中止ににより、250ccのレーサーレプリカモデルがなくなってしまった。大型が教習所で取れるために400cc以下のモデルが減少していること。そのため400cc以下でのレーサーレプリカがなくなったこと。社会人になったら免許とりにくくなること。僕の所属する筑波ライダースクラブでも試験場でとる人がおおかった。試験場でとるということがカッコイイ。という理由である。

 

試験前に

大型二輪の試験を受けるにあたり、試験場になんとなく行ってみた。目的は試験のコース図を手に入れるためである。コース図は試験場の周りにいくつかある代書屋で売ってたりするする。500円だった。大型二輪の試験を受けるにはまず事前審査を受けなくては行けない。これはバイクを起こしたり、取りまわしをしたり、後、視力測定である。茨城では木曜日の午後一時までに受付をしておく。早めにいって書類を書く。代書やで写真を撮る。書類の書き込みも有料でやってくれるけど、簡単なので自分ですでに書いておいた。印紙をはっときますか?の問いに思わず「はい」と答える。そして「5350円になります」えっ? ぼったくり? なんてこった! 写真とって印紙はってだけでそんなにかかるのかよ! と思った。後でよく見たら4350円分の印紙が這ってあった。プラス写真代で5350円だったのか… 納得。茨城県では大型二輪の試験一回ごとに4350円かかります。

そして事前審査をする。これで落とされる人はまずいない。受ける人は10人くらい。教官がバイクを持ってきてそれを倒し「これをまず引き起こして、線に沿って八の字に取りまわしをしてもらいます」ってな具合で順番に始まります。バイクはヤマハのFZX750。車重は208kg。ぼくの番がやってきた。バンパーがあるので起こすのは楽。そして押してみた。「グオ? 重い!」異常な重さである。これは車重からくるものではない。たぶんブレーキが引きずっている(常にちょっとブレーキがかかっている)のだろう。かなりの押し応えでぼくは筋肉痛になった。そんなんで終了。そして、本番の試験の日を予約して帰った。茨城では完全な予約制である。キャンセル待ちもありません。大型二輪の試験をしているのは普通は月水木金だが、春休みは車の学科試験受ける人が多いので、木金しかやってなかった。

 

1回目

当日、「ちょっと水戸に言ってくる」と言って早々と出ていった。試験場につき、早速受付をする。10時から試験開始。大型二輪は少ないので待たずに受付できる。すると「時間までにコースを歩いて道を覚えておいて」といわれる。そう、意外に思えるかもしれないけど、車とかが走ってない時間はコースを歩くことができます。この日の試験コースはAコース。コース図片手に歩き始める。「まず左右確認して、乗ったらまずミラー…」「ここでウインカーを出し、目視してから…」とイメージする。一本橋を見ると思ったより結構狭く感じる。そして、一本橋の後すぐスラロームである。一本橋からスラロームまでの間隔が狭く、この間に1速から2速にあげられるのか微妙だ。そしてスラロームは練習のときより間隔が狭い。教本では3.5メートルとかかれていたが、明らかにそれより狭い。控え室に戻ったら、結構人がいる。30人くらい入るだろうか? 教官が入ってきて、いろいろ説明して、名前を読み上げだし、「午前中は7人までやります。残りの人は午後」といい、1時ごろくるようにといった。ぼくは午後であったが、参考にしようとちょっと見ておくことにした。そして午後の試験が始まった。うまい人、だめな人、いろいろいる。結構最後までいって完走する人が多い。大型二輪では、減点が多くなり、受からなくなった時点で試験が中止になり、最後まで言った人は合格みたいな話を聞いていたので、「結構受かるのだな―」と思っていた。

そんな中、僕の番が近づいてきた。徐々に緊張。そして試験開始。4350円のプレッシャーに僕はだいぶ緊張していた。まず乗車する。手順どおりに出発した。生まれてはじめての750cc、VFR750Kである。車体の重さはそれほど問題ではないが、ハンドルの位置が変な感じ。僕の乗っていたNSR250Rはレーシーにハンドルが低く遠かった。VT250スパーダもネイキッドにしては低い。だがこのVFRはハンドルが結構高く、スポーティーでない。まあ楽な姿勢ではあるのですが… 緊張もあり、僕はふらつく。ふらふらのろのろ走る。直線で40キロまで加速する。ちょっと気持ちいい。そんなこんなで最初のポイント、「坂道発進」に差し掛かる。坂の真中当たりに一時停止し、後方確認して、発進する。ちょっと勢いよく発進しすぎたきもするが、たぶんOK。そして最高の難関にして、延々と苦しむことになる「一本橋」に到着。大型二輪は10秒以上かけてわたらないといけない。とりあえず今回は練習のつもりで、最後のほうまで行きたいので、一本橋にのってあまり粘りもせずそれなりでわたりきる。そして連続して難関「スラローム」ここは1速で行く。ちょっと進入速度が速すぎたため、アクセルワークがうまく行かず、ひょろ〜といってしまう。そして「クランク」に差し掛かる。緊張でふらふら走る僕には難関かもしれない。2速で行くという説もあるが、僕は1速でゆっくり通りぬけた。続いて「S字クランク」にはいる。これもクランクと同じである。無事に抜けることができた。このあと、交差点で右折するとき、交差点の真中でギヤがいきなりニュートラルに入る。つまり加速しようとしてアクセルを回してもはしらない⇒止まる⇒コケル わけである。こけはしないがこれにはびびった。が、1速にいれ走りだした。このとき緊張はピークに達した。そしてけっこう曲者なポイント「波状路」に入る。普通二輪にはない科目である。このでこぼこ道を僕は甘く見ていた。だが実際に入ってみると、ゆれるはハンドルはふらつくわで難しい。もうちょっとで線からはみ出すとこだったよ! まだ試験中止の声はかからない「もしかすると…」僕はいままでとは違う緊張を感じ始めた。後の課題は「急停止」だけである。40キロまで加速し、ブレーキをかけて、ひいてあるラインより手前で止まればいい。この日は雨なので、遠いラインで止まればいい。僕は40キロをやや超えるくらいで進入し、指定のラインからブレーキをかけた。なんだか余裕で止まれた。そしてスタート地点に戻り、試験終了。

待合室に帰る。「完走しましたね、受かっちゃうんじゃないですか?」と隣の人が言った。僕もその気になってノリノリ。おいおい一発試験に一発でうかっちゃうのか? 合格発表。試験官は言った。「先に言っちゃうと、今日は合格者いません。」誰もいない? きびしーのね。教官は一人ずつ呼び、どこが悪いなどのアドバイスをしていく。そして僕の番がきた「中山さんは、まず安定性がない、一本橋や波状路ね。一本橋は8秒でした。あとスピードが遅い。もっとメリハリをつけて走ってください。」こんなことを言われた。大型二輪ではスピードが求められるのです。出さないと「加速不良」として減点です。大型二輪を試験場で取る人はほとんどの人がこれを言われるそうです。まあこんなんでおちました。しかし今回は練習みたいなものと、次の試験へともえるのでした。次の試験は翌日に予約できました。

 

2回目

今日の試験コースは「Bコース」昨日とは違う。ぼくの番がきた。前回と同様に緊張する。今回のテーマは「スピードを出す」である。前回はならしでしたが、今回はせめていくぜ! と、

まずは発進をビシッと決め走り出しました。外周を回りますが、コーナーでは徐行(ゆっくり走ること)、直線ではスピードを出しました。

「いけてるんじゃないか?」

そんなことを考えました。そして坂道発進。問題無くクリア。そして一本橋。あまり粘らず、落ちないようにわたりました。すかさずスラローム。今回は華麗なアクセルワークでアグレッシブに決めました。しかし… ここでウインカーを右に出すのですが、間違って左に出していました。ここで「コースがわかりません」とミスをごまかそうとするのでした。で線路。普通に渡り、クランク、s字クランクと緊張しながら通過し、波状路にたどり着いた。ここは立ち姿勢で行きますが、忘れて最初座っていました。ちゃんと気づいたけど。今回もゆれて苦戦。でもまだ試験中止の声はかからない「後は急制動だけだね。あれあれ?いけるのかな〜?」と思ったのもつかの間、

「えー、減点が超過になりましたので、速やかに戻ってください」

と声がかかった。えっ? リッリアリィ? 終わりですか? ぼくは戸惑ってしまいました。何が悪かったのだろう? と交通ルールを遵守しながら戻りました。そして失望の中、すべての試験が終わるのを待ちました。前回と違って受かるのではないか?などというドキドキ感やわくわく感も無く、「早く終わらないかな〜。みんな一本橋で落ちて終わってしまえ!」と思ってました。そして合格発表。もちろんぼくは不合格「中山さんは安定性がありません、今日の一本橋は6秒8でした。波状炉の通過も早過ぎます。あともっとメリハリをつけて走ってください」と、前回と同じような指摘を受けました。一本橋で幻の6秒ダイを出してしまっていたとは… 試験中止はこれば原因でしょう。これだけで20点減点ですから。そこに波状炉が追い討ちをかけたんでしょう。スピードもまだまだ遅かったようです。あーあ。また4350円失ってしまったよ。今回は他に合格者がいました。「八回目でうかったよ」ともらしていました。それを聞くと安心かな… と次の予約をして帰るのでした。次は来週。

 

3回目

3回目の試験コースはBコースでした。今回もスピードをだし、一本橋をもっと粘ることを目標にしました。今回は試験受ける人で面白い人がいました。なんとスーツ着てるのです。ネクタイはしてません。まあはっきり言って「チンピラ」みたいです。皆さん彼がどんな走りをするのか楽しみにしてます。彼の試験がスタートしました。彼はブーツでないので靴下にスーツのズボンを入れます。あっ ヘルメットとグローブは持って着きてたみたいですね。乗車手順は、載っていきな両足ついてました。いけませんね〜 減点ですよ。そしてなんとなく走り出し、ぐるっと、回って一本橋にきました。乗りました。落ちました。案の定な結果でした。待合室には笑いがあふれました。

そして午後に僕の試験が始まりました。いつもどうりに乗車、発進。今回もやや緊張。まず坂道発進。クラクションを鳴らすのと間違ってセルをまわす。おっといけねー。僕は何食わぬ顔でクラクションを鳴らしなおしました。こんなことがあってか僕は落ち着き出したようです。そしてパワフルな加速とエキサイティングなブレ−キングでメリハリ走行をして、一本橋にきました。「今日は粘るぞ−」とがんばってみました。そしてスラロームをうまくこなし、S字クランク、クランクをこなし、波状路はふらふらし、線路を渡り、後は急制動と順調に進みました。「これはいけるのか?」とちょっと思いました。急制動もビシッと決め(といっても僕はいつも停止のラインがよく見えてなくて、手前で止まれたのか確認しないんです)、発着所にもどりました。もしかしたら受かるのかな−? 前回と違って僕は夢と希望にあふれていました。

そして合格発表。一人ずつ呼ばれます。僕が呼ばれます「中山さんは、エーと」ここでだめだとわかりました。夢と希望は粉々です「先ず、安定性。一本橋は8.2秒でした。後、もう少しスピードを出すと良いですね。」俺が遅い?俺がslowly? と思いましたが、合格は近づいてきていると確信。一本橋のタイムがあまり伸びないのは残念。そして僕は自転車で旅に出た。本州最南端 潮岬へ

 

4回目

自転車の旅から帰り、4回目の試験に挑みました。前回、なかなかイイ感じだったので、今後は受かる可能性が高くなるなーと思っていた。コースはBコース。午後から僕の試験が始まりました。テーマは「一本橋を時間かけてわたる」です。これができれば合格できるでしょう。発進し、外周回っているときに気がつきました。僕は落ち着いているということに。今回は行けるかな? と思いました。もうすでに4350円を3回払ってしまっていたので、緊張が薄れてきたんでしょうね。走りはメリハリが大分ついてたと思います。坂道発進をこなし、今回のテーマの一本橋。これがうまく行けば受かるのだ。僕はゆっくりと一本橋に乗りました。しかし乗ったときからちょっと右の方になっていた。これを中央に戻すのって割と難しいのです。真中ぐらいまできてやばくなってきました「真中に戻さないと」と思い、少し加速して戻そうとして、アクセルを回し、クラッチをつなぎ始めました。しかしクラッチがナカナカつながらないっ と思ったら、うおおっ 「ビーン」と甲高いエキゾーストノートを響かせながらクラッチがつながらないまま落ちてしまいました。「あー」と僕は空を見上げました。これで試験が終わり? END? 4350円を3分足らずで消費? がっかり。でもエンストしなかったとこがえらい。教官からは何も言われませんでしたが、おとなしく発着所にもどりました。すごくがっかり。ドキドキもワクワクもありゃしない。僕はすべてが終わるまで失望の時間を過ごさなくてはなりませんでした。「早く終わらないかな−」

合格発表。聞くまでも無く不合格。「安定性」といわれた。今日は受かるかもと思ったのに…

 

5回目

はい、5回目。今日のテーマは「一本橋で落ちないで粘る」デス。今度こそ受かるぞー。と試験は始まった。コースはBコース。いつもどおりに回る。坂道発信して、にっくき一本橋。今度は落ちないぞ! 乗りました。ちょっと左よりでした。ツーとクラッチつなげずに行って、アレ?なんかよってきてない? あれ?あれ?あれれ? そして… ドンと落ちてしまった… またしても… 不合格が決定した。「あークソッ」と空を見上げてつぶやいた。まただ目だったよ。僕は発着所に戻っていった。同じパターンで不合格とは… とがっかり。ちょっと知ってる人に「ワクワク感がありませんよ」と愚痴をこぼした。

事前審査が一緒だった人で、和田さんという人が試験を受けていた。最初に練習走行があるのですが、彼はそのときにかなり遅い速度で走りだした。明らかに一本橋の練習をしている。さすが。でもこの人はとてもうまい。スラロームの時のマシンの傾け方はかなりのもの。彼はそのとき5回目でしたね。惚れ惚れするうまさで急制動までいって、停止せずに帰ってきました。あれ? その日は雨で、どうやら後輪をロックしたらしく、ラインにとまれなかったのでそのまま来たらしい。そして合格発表。教官は最初に言いました。

「一本橋で落ちて不合格になる人が結構います。一本橋は10秒ですが、そこまで行かなくても他で減点が少なければ6秒ダイでも受かる人はいるんですよ。一本橋までは減点0で、落ちてしまう人もいます。落ちたらそこで終わりですから、落ちてしまう人は少し早めに行っても他に注意すれば合格できるんですよ」

まさに僕に向けられたような言葉だ。僕は不合格だったが「中山さんは安定性、一本橋ね。中山さんは一本橋までは減点はありませんでした。少し速くなっても他でミスしなければ合格できるんですよ」と言われた。

 

6回目

6回目を受けるに当たり、もう一本橋で落ちるわけにはいかない。ということで、みっちり練習することにしました。一本橋の練習をはじめた。どぶみたいなやつのふたの線を基準としたりして。前回、前々回に失敗の原因はクラッチをつながない状態でいってしまい、加速がしにくく、コントロールがしにくかったことにある。よって、常に軽くクラッチをつなぎながら遅く走ることができればよい。と勝手に考えて、クラッチをつなぎながら、エンストしないように少しアクセルを回し、ブレーキでスピードを押さえるような練習をした。ちょっとノッキングしながらの走行である。

コースはBコース。今日も和田さんが来ていた。試験の順番は僕のすぐ後が和田さんでした。ちょっと話をした。「スーツ男ってしってる?」なんて聞かれた。和田さんはかつてあの大型二輪が教習所で取れない難しい時代に、大型二輪に挑み、免許を取っていたそうだ。でも取り消しになったのでまた受けに来ているそうだ。「なんか前受けたときより多くかかってるんですよね〜」以前は5回目でとったそうですが、これで僕と同じ6回目。どおりでうまいはずだ。

そんなんで僕の試験が始まった。今回は前回教官に言われたように、一本橋はそれほど粘らず、落ちないことを優先させるように心がけた。発進し、まずは練習走行。僕は前回和田さんがやっていたように、一本橋の練習のつもりでゆっくり走った。クラッチの感覚を確かめたり、そんなことをしてたら「この先を右ですよ」と教官から声がかかった。早く行けってことですね。これには思わず笑ってしまいました。坂道発進を終え、問題の一本橋。クラッチワークに気を付け、無事通過。そして久々のスラロームも問題なし。波状炉はやはりちょっとゆれる。練習しようがないからね。そして線路を超えて、最後の急制動。久々の「受かるかもしれない」という緊張感が僕にこみ上げてきた。40キロまで加速し、制動開始。このときちょっと後輪ブレーキをかけすぎたような… なんか後輪が横滑りしたような… ざざっと音がしたような。でも遠くからみたらわからないよね? そして発着所に戻る。次の和田さんとのすれ違いざまに彼はこういった

「合格!」

やっぱり?やっぱりそう思いますか?僕は久々のわくわく感に、うきうきでした。待っている人に「急制動で音とか聞こえましたか」と聞いてみたりした。音は聞こえてないようだ。もしかしてもしかすると ゴウカク? と、どんな走行をしたか思い出してみた。あっ ミラー調整忘れた。5点減点。でもだいじょぶかな? 一本橋が8秒ダイならあわせてまだ15点減点だし。とそんなところに和田さんが帰ってきた。彼はかなり自信があったようだ。

合格発表。今回は受かってるかもしれない。僕が呼ばれた「中山さんは… もうちょっと安定性がんばって下さい。あと急制動、後輪ロックしてました」あれ?ばれてたの? というわけで、今回もだめだった。でも合格までは後わずか。今回も多分後輪ロックがなかったら合格していただろう。づぎこそは…

 

7回目

7回目を前にして、やはり一本橋の練習をする。水戸にいき試験に臨んだ。すでに4月。この次は後一回くらいしか受けられなくなるので深刻だ。コースは珍しくAコース。試験は午後になった。

午前中結構やったんで5人くらいしかいない。僕からなので、いきなり試験が始まる。「乗ったらまずミラー」で乗車。今回も練習走行で一本橋の練習をする。外周回って坂道発進そして一本橋へ。今回も前回同様、最初は粘らず、最後のほうで粘る。無事通過。スラロームは今回ちょっと進入速度が速すぎていまいちだった。がOKだと思う。次に波状路。これは今までうまくいってない。今回、前輪がブロックにあたるのを見ながらやればアクセルワークがしやすいのではないか?と考え、フロントタイヤが見えるように立ち姿勢のとき前体をだして見た。すると… 車体が安定する! これは前に体を出したことによりタンクを両足で押さえる形になり、自然にニーグリップをしていたからだった。ゆっくりと安定してわたることができた。そしてクランク、S字クランクを難なく通過し、線路も通過。後は急制動だけ。前回はこれがだめだった。リアブレーキをかけ過ぎだった。クラッチも切っていたし。クラッチをつないだままいけば後輪はロックしないので、40キロへの加速中「クラッチは切らない、リアブレーキはのせるだけ」とつぶやいた。コーンから制動開始。フロントブレーキを強くかける。ついでに思いっきりリアブレーキかけてた、でもクラッチつなぎっぱなしだったのでロックはしてない。減速してきてドンドンとエンジン回転数が遅くなり、ノッキングしてくる。ここらでパパパっとギアを下げ、停止。エンジンも止まっていない。成功だ。そしてミスがないように発着所に戻った。僕には「合格した」という強い確信があった。後に受ける人に波状炉は前に体重かけるといいなどとアドバイスをした。そして合格発表を待った。ウキウキで。

教官が待合室に入ってきた。合格発表が始まる。僕からだ。

「中山さんは… 合格です。残ってください。」

やった。ついにやった。すると小さな拍手がおこった。後ろにいためがねの人が拍手をしてくれた。「ありがとうございます」と頭を下げた。僕の顔はニヤニヤと緩みっぱなし。今回の合格者は僕と、青いフリースで胸にケバリがついている人だけ。合格者は発表後に残って教官の指示を受ける。ケバリの人もニヤニヤしてる。指示を受けた後、ケバリの人は教官に「握手をしてください」と握手をしていた。すると教官は「君もしておくか!」といってきた。実は僕も握手したかった。がっちりと握手をした。待合室から戻るまでの間ケバリの人とも握手をした。免許の写真を撮るまでの間、安全運転協会の勧誘とかありますがもちろん断り、そして免許の写真を撮る。僕の顔はニヤニヤと緩みっぱなしで、写真ももちろんにやけて取った。

免許できるまでの間、僕はにやけっぱなし。ケバリの人もにやけっぱなしだった。ニヤニヤしながらお互いのバイクについて話し合った。

免許証ができ、配られた。ついに大型自動二輪免許をとった。小さく「大自二」とかいてある。写真はちょっとにやけてる。それを見た僕もにやけていた。教習所だと10万円かかるところを3万円でとることができた。大型はいい。いいなぁ